花(学研の図鑑LIVE(ライブ)ポケット19)

書影画像
北澤哲弥(監修)、廣瀬光子(監修)
発行:学研プラス

「昆虫」の図鑑が不評だったときに「お花の図鑑がいい」とリクエストがあり、お答えするために悩んだ結果、学研の小型図鑑である本書とした。

大きな図鑑は、「植物」は欠かせないかなと考えていて、それに加えて「花」も大きい図鑑となると、若干重複感がある。写真集のようなものにしようかとも思ったが、花以外への発展も考えて、基礎的な学習要素や用語についてきちんと説明の載っているポケットタイプの学習図鑑にした。

この図鑑は、花の構造に関しては、被子植物のアブラナのみではあるが写真付きで解説されている。一応、花弁に見える萼(がく)や苞(ほう)などの「花びら」の解説もされ、その他の用語の説明もカラーページにあり、写真付きで分かりやすい。また、花粉を運ぶ生物の話も表紙の裏に書かれているので、「昆虫」図鑑の伏線回収も満足する。さらに、裏表紙の裏には陸上植物の分類も書かれているので、単子葉類や維管束などが出てくる中学生の内容にもつながるだろう。

掲載順は種の近いまとまり毎ではなく、花の形でまとめられていて、また最初に小さい写真で卒業アルバムの顔写真のように一輪ずつ並んでいるので、花の特徴から引きやすくなっている。これは「花」の図鑑の良い所だと思う。ほとんどの花の名前がカッコ内に漢字でも書かれ、漢字の意味と相互に結び付けて覚えられるようになっていて、国語へのつながりに配慮されていそうなのも感心する点だ。

裏表紙には簡易的なものさしもついているので、探検のお供にしたときに頼りになるだろう。

(外部リンク)版元ドットコム